写真を絵画調に変換する作品を手掛けて数年が経ち、様々な改良を加えてきたのでご紹介したいと思います。説明で用いる写真は昨年秋、西伊豆土肥温泉に遊びに行ったときのものです。まずは、出来上がりをご覧ください。一見して絵葉書か絵手紙だと思っていただければ上出来と言うことです。
![西伊豆遊行偶成](https://www.uniqware.net/wp-content/uploads/toispa_photopicture-400x267.jpg)
この作品の元写真はこれです。当然のことながら構図は同じです。一番の違いは何だかお分かりでしょうか?色合いとか文字の有無ではありません。
![西伊豆遊行偶成の元写真](https://www.uniqware.net/wp-content/uploads/toispa_original-400x267.jpg)
答えは元写真では右側中央にホテル・家屋が写っているのに対して変換後は海岸と海になっているところです。実際は下図のようにGIMPというレタッチソフト(フリー)のクローン(ツール名はスタンプ)という処理によってホテル・家屋を近傍の海、海岸線に置き換えています。また、人工物の不自然な直線、曲線はGIMPのケージというツールを使って故意に歪め、手描き感を出しています。この例では風呂の縁石が作る四角形を外側に膨らむように歪めています。
![GIMPのクローン処理](https://www.uniqware.net/wp-content/uploads/toispa_clone-400x248.jpg)
![写真絵画変換後の写真](https://www.uniqware.net/wp-content/uploads/toispa_justpictrized-400x267.jpg)
![GIMPによるレイヤーマスク・不透明度処理](https://www.uniqware.net/wp-content/uploads/toispa_finishing-400x247.jpg)
最後に絵葉書にするための注意点です。まず、はがきの規格にあわせて写真は縦横比が3:2(横書き)または2:3(縦書き)のものを使います(トリミングをして縦横比を調整可能)。特に、元写真のままだと鮮明過ぎて不自然なので不透明度(色の出具合)を60%~70%程度に下げるのを忘れてはいけません。後は、加工した写真をワープロに背景として取り込み、テキストを追加してプリンタ出力すれば出来上がりです。